文章はたった1人に向けて書くこと

WEBライティング講座

どうして子どもの手紙は感動するのでしょうか?

文章の上手い下手は関係なく
感動させる文章には共通点があります。

タイトルですでにネタバレしてますが
「たった1人に向けて書く」
あなたの文章はすぐに良くなります。

今日はその理由と具体的な書き方について
お話していきます。

誰でもいい文章は誰にも刺さらない

例をあげてみます。

選挙演説をイメージします。
頭の良さそうな政治家が
熱烈に目標(夢想)を叫んでいます。

難しい単語や専門知識も豊富な政治家は
選ぶ言葉も独特で凄みのあるものも多いですよね。

でも、街頭演説の様子を遠くに見てると
大半の人は素知らぬ顔で通り過ぎていきます。

(なんか言ってるなー。)くらいで
ほぼスルーする人もいますね。



逆に、冒頭であげた子どもの手紙

文章としてはつたないのに
読まれたお父さんお母さんはボロ泣きです。

結婚式の手紙も、涙を誘いますよね。
なぜか当事者じゃないのにウルッと来たりして。


この演説と手紙の違いは何かというと
「誰に向かって語りかけているか?」
という点です。

選挙演説は1人でも多くの人に届けようとするので
宛先がだいぶ広範囲に広がっています。
「老若男女」ですね。

一方で手紙は「明確な1人」です。
特定の相手に語りかける文章なので
下手っぴでも感動させるんですね。

宛先を1人に決めることで
相手に響く良い文章になるってことです。

宛先を1人に絞ると良い理由

なぜ宛先を1人にするといいかというと
「俺に言われている!」感が強まるからです。

「A君もB君もC君も、みんな大好き!」
と言われるよりも

「あなたが好きです。」
と言われた方が嬉しいですよね?

”配布”される義務チョコよりも
放課後の教室や視聴覚室の裏で
こっそり手渡されるチョコの方が
「本物っぽい」感じがします。

後者の方が本人はニヤニヤするはずです。

「あなただけ!」という
特別感・個別感が増すからです。



なので、記事を書くときは
毎回「本命チョコ」を渡すように
明確な1人を思い浮かべながら
ていねいに書いていくようにしましょう。

本命チョコはさすがにベッタリ近すぎる場合でも
カフェで1対1で話しているときのように
伝えたい相手のことをイメージしながら
記事上で「語りかけていく」といいです。

1人に語りかける文章術

技術面でできる工夫もあります。
たとえば、

相手を指す言葉を「みなさん」ではなく
「あなた」で呼びかけるといいです。

「みなさんはどんなダイエットに取り組んでいますか?」

「あなたはどんなダイエットをしていますか?」

みなさんと言ってしまうと
「本人以外の多数」のニュアンスが出るので
自分ごととして捉えなくなります。

ここで「あなたは?」と尋ねることで
しっかり読み手本人が考えてくれるようになります。

最初は「あなた」を使うのに勇気がいると思いますが
すぐに慣れるのでやってみてください。



そして、複数人を呼びたい場合も
「みなさん」ではなく
「私たち・僕たち」「我々」「人間は」などを活用するといいです。

「みなさんで環境問題を考える必要があります。」

「私たちが環境問題を考えていく必要があります。」

「みなさんは欲張りです。」

「人間は欲張りです。」

こちらの方が
「みんなで考えて欲しい」
という意思が伝わります。

多数に呼びたい時に「みなさん」を使ってしまうと
「僕はやらないけどみんなで頑張って。」
というような他人事っぽくなります。

不思議なことに、
「みなさん」や「あなたたち」を使うと
説教臭くなります。

僕たち私たちに言い換えることで
自分も関わっていくというニュアンスが加わり
リーダーシップのある言葉になります。



二人称の活用法を工夫すると
説教臭さが取れて共感しやすい文章になるので
ぜひ意識して活用してみてください。

宛先を「たった1人」に決めると
文章表現がブレずにあなたの思いが明確に伝わります。

言いたいことは同じでも
刺さり方が変わってきます。

たとえ多くの人に知ってほしい記事でも
明確な1人を決めて書いた方が拡散します。
八方美人では熱狂されません。

ぜひ1人を意識して、
手紙を送り続けてください。


以上です。ありがとうございました!

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